働き方の柔軟さ。職場でバランスがとれているのは、各自に主体的な仕事の取り組み姿勢があるから
― 旅館ぬしやで働くきっかけについて教えてください。
旅館業には以前から興味があり、母が当館に勤めていたため馴染みもあったのですが、子育て中の自分は夜の時間帯に働けない…と二の足を踏んでいました。それでも挑戦したい思いが捨てきれず、面接をお願いしたところ、朝8時から17時という勤務を提案いただいたんです。「あなたのペースで働いてほしい。子どもを一番に考えてね」という支配人の言葉は、今もこころに残っています。
今は、チェックアウト業務からお部屋のセット、チェックイン業務、事務作業を担っています。当館で働くようになって、常に表情や立ち居振る舞いに気を付けるようになりました。支配人や先輩スタッフのみなさんが見本を見せてくださり、適切なアドバイスをくださったのでありがたかったです。

― 育児との両立について、どのように工夫されていますか?
ひとつは精神論的ですが、勤務時間中は誰よりも働こうと意識することです。8時から17時という勤務が実現するのも、支配人の配慮とスタッフのサポートのおかげ。早く帰る分、夜働くスタッフが楽になる働きをしなければと思っています。するとある日、言葉を交わしたお客さまから「子育てしながら働くあなたも偉いけど、あなたの職場も素敵だね」。と褒めていただけたんです。スタッフ間のチームワークを評価いただけた気がして、本当にうれしかったですね。
もうひとつは、家にいる時間は全力で子どもたちと向き合うこと。起きてからの1時間半、帰宅後は子どもとの時間と決めています。日曜日は家族で一緒にお出かけしますし、夫も、私が夜に仕事をする日は子どもを見てくれています。とにかく慌ただしい日々ですが、家族のサポートにも感謝しています。
― では、将来どんな風に働いてみたいですか?
まずは、大好きなこの仕事を長く続けていきたいです。最近、子どもが「お疲れさま、頑張ったね」とか「いい笑顔だね」とうれしそうに声をかけてくれるんです。仕事中の充実感が伝わっているんだと思います。
子育てが落ち着いてきたら、支配人を目指してみたいです。今の私があるのも、支配人が個々の事情を理解して、柔軟に対応してくれたから。何があっても受け止めてくださる器の広さに憧れていますし、私も「あなたらしい働き方も実現できるよ」と、後輩に伝えたいです。アルバイトから正社員登用を希望したのも、女将塾という会社に興味が湧いたことがきっかけなんです。女将塾は、チャレンジ精神を受けとめてくれる会社。簿記の取得など事務スキルも磨き、より仕事の幅を広げていきたいです。